福島県を代表する奥州三名湯の一つ、飯坂温泉から摺上川を北西に約２km遡ると、穴原温泉が広がっています。この地は川幅が狭まり、渓谷となっており、周囲には緑豊かな山々やりんご畑が広がっています。飯坂温泉が繁華街的なイメージを持つのに対し、穴原温泉は小さな温泉地で、旅館が5軒ほどあります。

摺上渓谷の入口にあるこの温泉街には、古くからの老舗旅館や大型ホテルが立ち並んでいます。宿泊者に大変好評なのは、コンパニオン付きの宴会プランを提供する宿やリーズナブルな料金設定です。また、この地域は自然に溶け込んでおり、川岸では時折カモシカやサルの群れが見られます。多くの露天風呂が川に面しており、新緑から紅葉、雪景色まで四季折々の景色を楽しみながら、渓流のせせらぎを聞きながら湯浴みを堪能できます。

共同浴場「天王寺穴原湯」は、1805年に開湯した天王寺と1789年に開湯した穴原湯を合わせて昭和61年に移築された施設です。美しい自然に囲まれたこの共同浴場は、皮膚病に効能があると言われ、昔ながらの素朴な雰囲気が漂っています。